高松次郎《宮沢賢治「水仙月の四日」より_日暮れを待たず雪婆んごがやってきた》_軽トリミング ©Yokohama Civic Art Gallery

高松次郎 たかまつ じろう
《『水仙月の四日』より 日暮れを待たず雪婆んごがやってきた》

1984年
シルクスクリーン

2015年12月号に掲載

高松次郎(たかまつ・じろう)は1936年東京生まれ。1954年に東京藝術大学に入学、1958年の卒業後に読売アンデパンダン展に出品を始めました。1963年には赤瀬川原平(1937‐2014)、中西夏之(1935年生まれ)とハイレッド・センターを結成、先駆的な数々のイヴェントをおこないました。その後、影だけを描いた《影》シリーズや、平面上の表現である遠近法を立体に還元した《遠近法》シリーズなど、既存の概念や身の回りのものへ疑問を投げかけるような作品で知られるようになります。

高松はさまざまな手法で作品を発表しましたが、本作は1970年代後半から回帰した、絵画の作品です。宮沢賢治の童話『水仙月の四日』のために描かれたもので、「水仙月の四日」に吹雪を降らせるために雪婆んごが到来する場面からタイトルがつけられています。幾色ものリズミカルな線の重なる一番上層に白色で抽象形態が表されており、物語の中で次第に降り積もる雪を想起させます。

晩年には抽象形態のみを描いた大型絵画を発表するなど、自身の表現をそれまでとは違うアプローチから追求していた高松ですが、1998年に亡くなりました。

横浜市民ギャラリーでの展覧会:
1984年 「今日の作家『面』をめぐる表現の現在」展

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