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宮本昌雄 みやもと まさお
《横浜山手春秋譜》

1979年
紙本着彩

※「横浜画廊散歩」2016年4月号に掲載

宮本昌雄は1917年、横浜市中区生まれ。1923年の関東大震災で両親を失い、実家の紙商店を継いだ姉夫婦の元で育ちました。1930年、片岡球子(1905-2008)の院展初入選作≪枇杷≫に感銘を受け、片岡を訪ねます。片岡が多忙のため中島清之(1899-1989)を紹介され、以後中島に師事しました。1934年神奈川県立商工実習学校卒業、1935年第4回横浜美術展に初入選するも、1938年から1946年まで兵役のため制作は中断します。1948年から日本鋼管株式会社の子安工場に勤務。1950年ごろより制作を再開し、1958年には院展に初入選しました。

宮本は自分の卑近なモチーフを描くことを信条としていました。日本鋼管に勤務中は自らの生活の中心にあった工場をテーマに描いていましたが、退職後は自宅の近所である山手の風景を主題とすることが多くなりました。本作はタイトル中の「春秋」にあるように、満開の桜と紅葉が同時に咲き誇る架空の風景です。船のマストと思われるポールには色とりどりの旗、手前の住宅には提灯が下げられ、祭りのような雰囲気を演出しています。山手らしい坂道の奥には富士山も見え、全体に理想郷的なまた牧歌的な印象が感じられます。

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