収蔵作品 今月の1点

相模野富士 ©Yokohama Civic Art Gallery

相模野富士 島田 四郎 しまだ しろう

■ 制作年:1979年
■ 技法・材料:水彩、墨、紙
■ サイズ [縦×横×奥行]:37.9 × 53.5cm
■ 作品番号:WD-062
■ 分野:水彩・素描

※「横浜画廊散歩」2019年10月号に掲載

島田は1905年、富山県東礪波郡東山見村(現・砺波市庄川町)に生まれました。1925年富山県立工芸学校(現・富山県立高岡工芸高等学校)図案科を卒業、かつて東京にあった日本美術学校に進み、1926年より春陽会に参加しました。1928年に静岡市に転居、1934年からは白日会に参加し翌年同会展で特選を受賞。1945年からは横浜に居住し白日会と日展で活躍した後、1958年からは新世紀美術協会を拠点とし1982年第27回新世紀展で黒田清輝賞を受賞、個展も多数開催。神奈川新聞に連載された大佛次郎の随筆『ちいさい隅』(1958~1972年)の挿絵も担当しました。1986年逝去。

島田は人物画、風景画をよく描きました。本作は1979年に横浜市民ギャラリーで開催された「横浜開港120周年記念 横浜百景展」のために制作されたもので、墨で描かれた風景に淡彩が施されたスケッチです。画面奥に見える富士山は淡い墨で描かれ、遠方にあること、またその高さを意識させます。また道路のセンターラインが奥へと視線を誘導しています。

横浜市民ギャラリーでの展覧会:
1979年 「横浜百景展」